最近は数学に注目が集まっていますね。数学好きとしてはうれしい限りです。
これを機会に英検や漢検と同じくらい数検も有名になってくれるのを願っています。
そこで、数検準一級に合格したときに調べた情報をまとめたいと思います。
- 数検ってどんな試験?
- 資格を持っているとどんなメリットがあるの?
- 難易度はどれくらい?
- 日程はどこで確認できるの?
- 受験料の注意点は?
などが気になっている人向けの記事です。
数学検定とは?
数学検定とは日本数学検定協会が運営する検定試験の一つです。
検定の種類は「実用数学技能検定」と「ビジネス数学検定」があります。
実用数学技能検定は中学生以上向けの数学検定と小学生以下向けの算数検定にわかれます。
ちなみにビジネス数学検定はデータを読み取る力をみるための社会人向けの試験です。
今回は数学検定についてみていきます。
数検のレベルは?
- かず・かたり検定:幼児向け
- 算数検定(6~11級):小学生向け
- 数学検定(1・準1・2・準2・3~5):中学生以上向け
- 1次試験と2次試験に分かれる
数検のみ表でまとめていますが受験前には公式サイトで必ず確認しましょう。
階級 | レベルの目安 | 1次 | 2次 | ||
---|---|---|---|---|---|
1級 | 大学・一般 | 60分 | 7問 | 120分 | 必須2・選択2 |
準1級 | 高3・数Ⅲ | 60分 | 7問 | 120分 | 必須2・選択2 |
2級 | 高2・数ⅡB | 50分 | 15問 | 90分 | 必須2・選択3 |
準2級 | 高1・数ⅠA | 50分 | 15問 | 90分 | 10問 |
3級 | 中3 | 50分 | 30問 | 60分 | 20問 |
4級 | 中2 | 50分 | 30問 | 60分 | 20問 |
5級 | 中1 | 50分 | 30問 | 60分 | 20問 |
各級で目安の学年は設定されていますが、高校入試や大学入試に比べると簡単です。
試験時間にも余裕があり対策も立てやすいので、あくまで基礎力と考えるる方がいいでしょう。
詳しくは下のメリット・デメリットでまとめています。
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1次試験(7割程度で合格)
記号問題や短答式(数値のみ)で出題されます。
問題数に対して時間は余裕があります。
私はいろんな級の人と同じ会場で受験したのですが、ほとんどが半分の時間で解き終わっている雰囲気でした。
時間ギリギリになる場合は計算のルールや公式の確認をした方がいいでしょう。
2次試験(6割程度で合格)
1・準1・2・準2級は記述式の試験です。3級以下は一部記述でほとんど答えのみです。
高校生で難関大学を目指している人にとっては簡単な内容です。
中学生にはなれない形式ですが、高校数学は記述なのでその練習になります。
記述問題は部分点がつきます。採点例はコチラ
また、1~5級の2次で、一般的な電卓や関数電卓、グラフ電卓が使用できます。
1次も2次も自分の解答は返却されないのが残念なポイントです。
合格率は?
1級は難易度が高い試験ですね。英検1級と似たような合格率です。
上記以外の階級の合格率は大体7割以上あります。
数検の日程・受験方法・検定料は?
- 個人受験と提携会場受験がある
- 約2か月前から申し込み開始
- 提携会場受験の方が受験料が割安
- 提携会場受験で1級は受験できない
個人受験と提携会場受験について
個人受験は決められた会場で受験する形式で年3回実施されます。
2022年は4/10・7/24・10/30のいずれも日曜日です。
近所の会場になりますが会場を選ぶことはできません。
すべての級を受験することができます。
提携会場受験は検定を実施している会場を探して受験する方式です。
全国の塾やそろばん教室などで実施している日程を選んで申し込みます。
2022年はホボ毎月1,2回土曜日に実施しています。4月はないみたいです。
日程によっては準1級を受験できないので注意が必要です。
提携会場受験の申し込み方法などは以下の事でまとめています。
今回は数学検定の申し込み方法から受験当日に向けての準備、合否までの流れをまとめます。 私が準1級を受験したときに困ったことや、注意したほうがいいと思ったことを解説しています。 申し込み方法が分からない受験当日は何をもっていけば[…]
検定料について
提携会場受験の方が1000円~1200円ほど割安になっています。
申し込み方法によって支払い方法は異なります。
また、1次・2次で片方だけ合格している場合は1000円引きになります。
ただし、申し込みで申請しておく必要があります。
検定料や割引額が変更されている可能性があります。申し込み前に確認しておきましょう。
受験のメリット・デメリットは?
メリット
- 高校・大学で優遇制度がある
- 全範囲の復習になる。
- 自分のレベルにあわせて勉強できる
- 計算と記述式の練習になる
高校・大学で優遇制度がある
「入試優遇制度」・「単位認定制度」・「高卒認定数学免除」などです。
「入試優遇制度」とは、大学・短期大学・高等学校・中学校などの一般・推薦入試において得られる、各優遇措置や評価、活用などの制度。
高校や大学などの入学試験で加点されたり参考要素として評価されたりします。
難関高校や難関大学ではこの制度を採用していないことが多いです。
入試優遇制度を実施している学校は公式サイトから確認できます。
「単位認定制度」とは、大学・高等専門学校・高等学校などで、一定の階級の実用数学技能検定取得者に対して、特定の科目の単位取得を認める制度。
数検で決められた級に合格していれば単位がもらえるというものです。
この制度がある大学は少なく、ほとんどが高校です。
単位認定制度を実施している学校は公式サイトから確認できます。
「高卒認定試験」とは高等学校を卒業した方と「同等以上の学力」があるかどうかを認定する試験のことで、様々な事情で高校に通えなかった人向けの試験です。
この試験に合格することで大学受験することができます。
数検1・準1・2級を取得することで、「高等学校卒業程度認定試験(旧「大検」)」の必須科目「数学」が試験免除となります。
優遇制度は変更されているかもしれません。利用を考える場合は確認しておきましょう。
全範囲の復習になる
学年ごとに階級がわかれています。
なので勉強するときはその学年までで習っている内容をすべて理解しておく必要があります。
テキストをみても各単元がまんべんなく書かれています。
苦手な単元を見つけることもできますので、中高校生の総復習にちょうどいいですね。
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自分のレベルに合わせて勉強できる
全範囲の復習ができることは上で書きましたが、もし2級のテキストを勉強していて難しいと感じたら準2級からやり直すというように、自分でレベルの把握と学習計画を作ることができます。
下のレベルから合格していくことで確実に基礎力がついていきます。
早くレベルアップしたい気持ちも分かりますが、着実に力をつけていきましょう。
計算と記述式の練習になる
特に高校数学の勉強をしていると記述に注目しがちですが基本は計算です。
準2級以上になると1次(計算)と2次(記述)に分かれます。
検定の勉強をするなかで計算に注目して基礎から見直すきっかけになります。
記述ができていても計算が意外とできていないこともあるので丁寧に見直しましょう。
デメリットというか注意点
受験者のレベルにもよりますが合格したからといって安心できません。
- 難関高校・難関大志望には簡単すぎる。
- 解答が返却されない
- 時間に余裕があるので焦らなくていい。
難関高校・難関大志望には簡単すぎる。
過去問を見ても分かるように基本的な部分を聞かれます。
難関大学志望であれば高2年の2、3月で2級に余裕をもって合格できた方がいいでしょう。
先取り学習ができているなら高3夏で準1級を受験するのもいいと思います。
試験の内容は基礎ですが、試験対策をすれば総復習になる点はお勧めできます。
また、合格することでモチベーションアップにもなると思います。
解答が返却されない
どこが間違っているか確認できないのは難点ですね。
いずれはデータ化して返却とかしてほしいです。
時間に余裕があるので焦らなくていい。
問題数のわりに試験時間は長いです。
準1級は120分で大問4つ解きます。
国立大学入試くらいの時間と問題数ですが、それに比べて難易度は低いです。
また、余白も十分にあるので焦ることなく計算できるでしょう。
時間との勝負ではありませんが、丁寧に計算することを意識しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は数学検定についてまとめてみました。
数検は年間30万人以上が受験する検定ですが、英検と比べて認知度が低いですね。
高校生だけでなく社会人にももっと広まってくれたらうれしいです。
私も次は1級を目指してみようと思います。